読書メモ

最近読んだ本の感想をまとめて。


立花隆の再発見。過去に利根川進との対談インタビュー「精神と物質」(1993 文春文庫)は読みましたが、その時は利根川進の関係。立花隆はその幅の広さゆえ何となく胡散臭いルポラーターのような印象があり食わず嫌いで敬遠していた。しかし今回その超人的な読書と執筆生活には感銘。今後の読書予定リスト入り。


ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

このところGoogleのことを考える機会が多かったので、頭の整理になった。これからの10年間の変化は、インターネットが世の中に出てきた過去10年間の変化よりもはるかに広く深いものになることは間違いない。その勝負にしのぎをけずる状況を肌で感じている企業が日本にないことにとても危機感を覚える。このままではまたアメリカの一人勝ちか?


キヤノンとカネボウ (新潮新書)

キヤノンとカネボウ (新潮新書)

数年前から元カネボウの方々がスピンオフした会社を手伝っているので、カネボウの企業文化には興味を持っていた。本書でその一端を垣間見た気はするが、全体には掘り下げ不足で消化不良。


海神丸 (岩波文庫 緑 49-1)

海神丸 (岩波文庫 緑 49-1)

野上弥生子の初期の作品。


ソフトウェア開発 で伸びる人、伸びない人 (技評SE新書002)

ソフトウェア開発 で伸びる人、伸びない人 (技評SE新書002)

言われるとあたりまえのことだが、実際にはなかなか適した人材は見つからない。


ひとびとの跫音〈上〉 (中公文庫)

ひとびとの跫音〈上〉 (中公文庫)

ひとびとの跫音〈下〉 (中公文庫)

ひとびとの跫音〈下〉 (中公文庫)

坂の上の雲」から現代につながる世界。秋山兄弟や正岡子規のような時代の英雄ではなく、その後を引き継いだむしろ今となっては名前の残らない人々を人間として丁寧に描いた作品。正岡忠三郎・西岡隆二(ぬやまひろし)・富永太郎・加藤拓川・陸羯南等々。その先に広がる世界があり楽しみ。


国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

従来の日本のシステムがそのまま今の世界的競争社会で通用する訳がないことは確かだが、米国のシステムをそのまま持ってきてもうまくいかないのは自明。国家的に大局を判断できるエリート層不在のままで、日本は国家としての地位をこのまま維持できるのか疑問。


日蝕 (新潮文庫)

日蝕 (新潮文庫)

一月物語 (新潮文庫)

一月物語 (新潮文庫)

滴り落ちる時計たちの波紋

滴り落ちる時計たちの波紋

昔から気になっていた平野啓一郎をすこしまとめて読んだ。次は長編。


大学病院でなぜ心臓は止まったのか (中公新書ラクレ)

大学病院でなぜ心臓は止まったのか (中公新書ラクレ)

大学病院という白い巨塔での医療事故を克明に取材できた取材班の執念には感銘。ただし、医療事故を引き起こす土壌を変えるには医療提供者側の努力はもちろんとして、医療に対する社会全体のコンセンサスの変革も必要ではないか?


超バカの壁 (新潮新書 (149))

超バカの壁 (新潮新書 (149))

自分がバカの壁に陥っていないか?というセルフチェック的頭の整理には最適。


博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

数学は美しくなければ数学でない。その美しさは愛にも共通。


最強の投資家バフェット (日経ビジネス人文庫)

最強の投資家バフェット (日経ビジネス人文庫)

バフェットの投資をもう少しまじめに調べてみよう。


脳はここまで解明された―内なる宇宙の神秘に挑む (ウェッジ選書)

脳はここまで解明された―内なる宇宙の神秘に挑む (ウェッジ選書)

工学系からの脳研究。ドライとウェットはどこでレベル的に出会うのか?


新装版 酔って候 (文春文庫)

新装版 酔って候 (文春文庫)

飛行機の中でのひまつぶしのつもりだったが、幕末の個性ある人物群像(山内容堂島津久光伊達宗城鍋島閑叟)は楽しめた。


父親力で子どもを伸ばせ! (寺子屋新書)

父親力で子どもを伸ばせ! (寺子屋新書)

長男も4月から5年生。30年前の田舎育ちの常識は既に非常識のようで、私立中学を受験をさせるべきかどうか迷っている。先日、昭和43年と平成10年の学習指導要領の算数の比較表を作成してみた。驚いたことに約1年分のカリキュラムの差があった。つまり今の小学生は30年前の小学生の5年生分しか学校でやらない。子供の教育は仕事の関係でほぼすべて妻任せであったが、父親としてやれることが何かを考えている。


ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実

ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実

製薬企業の開発費が年々巨額に膨らんでおり、そのための合従連合がここのところ日本でも日常化してきた。その開発費の実像がR&Dではなくここまで広告・マーケティング費用であったのかというのは驚き。欧米のビッグファーマの何人かの友人に聞いたら誇張しすぎと顔をしかめるが、New England Journal of Medicineの前編集長という著者の経歴を見ると嘘八百の暴露本とも思われない。